勉強法が分からず、
「暗記が苦手」
「記憶力がない」
と感じていませんか?
そんなあなたに、勉強した内容を効率的に記憶に定着させるおすすめの勉強法をご紹介します。
ベストセラー本「使える脳の鍛えかた」をもとに、中高生から社会人まで誰もが使える勉強法を厳選しました。
この記事を読めばきっとあなたの記憶力は変わります。
それではさっそく見ていきましょう。
「見出し」と「太線部分」のみお読みください。
*より詳しく知りたい方は、
論文(R)も合わせてチェックしてみてください。
記憶に残るおすすめ勉強法①「想起学習」
簡単にいえば、復習のことです。
「それぐらい分かってるよ」と思われるかもしれません。
しかし、「学んだことを思い出す」というのは、記憶において想像以上に重要なことなんです。
なぜ思い出す必要があるのか
少し難しい話になりますが、勉強した内容を想起することにより「脳の神経回路が強化」されます。
これによりしっかりと記憶に定着します。
そして想起学習は、教材をただ見直す「再読学習」よりも効果が大きいことが分かっています。(R)
想起学習のポイントは、「復習するまでずっと覚えている必要はない」ということです。
つまり、いったん忘れてしまってもいいんです。
これはかなり直観に反すると思います。
「忘れてしまったらそれまでじゃないのか?」
「一回忘れてしまった内容を思いだすのは大変じゃないか?」
と思われるのも無理はないです。
しかし、思い出すのが大変だからこそ記憶に強く残るんです。
忘れたことを思い出している最中は、
「いま記憶に強く刻まれているんだ」
という実感はあまりないかもしれませんが安心してください。
頑張って思いだすことこそ記憶を強化します。
大事なのは記憶の手がかり
いったん忘れてしまったことを思い出すには手がかりが必要です。(R)
あなたが何かを思い出せないとき、それは学んだ知識そのものではなく「記憶の手がかり」を忘れているんです。
歴史上の事件を思い出せないときは、そのときの時代背景や前後に起こった事件。
数学の公式であれば、その公式の成り立ちや、授業中の先生のはなし。
そういった記憶の手がかりを手繰ることで、忘れていた内容は思い出せます。
前述したとおり「頑張って思い出す」ことで記憶は強化されます。
また「見る」「聞く」「触る」などの知覚的な努力を必要する想起も効果的です。
さらに、「文字が読みづらいほうが記憶に残る」というちょっと驚きの研究結果もあります。(R)
読みづらい文字を頑張って読む方ほうが記憶にも残りやすいからです。
そう考えると、ノートの文字はちょっとぐらい汚くてもいいんですね。
具体的には何をすればいいのか
想起学習の最も効果的な方法の一つは「テスト」です。
イリノイ州コロンビアの中学校を対象に行われた実験によると、テスト形式で復習した場合と、テスト形式で復習しなかった場合を比べると、
テスト形式で復習した方が、明らかに優秀な成績をおさめました。(R)
テストをする際に注意していただきたいのは「間違えてもいい」ということです。
「間違える」というのは、一見すると効率の悪い勉強法に思えます。
しかし、テストで間違えることで2つの大きなメリットを得られます。
✔間違いなおしをすることで、理解していなっかた場所をより一生懸命に勉強をする
そう考えると「テスト」という言葉におびえることなく、思い切って受けてみてはいかがでしょうか?
もちろん、本番の試験のときはなかなかそうもいかないかもしれませんが…( ̄▽ ̄;)
記憶に残るおすすめ勉強法②「間隔学習」
間隔学習のやり方は簡単です。
勉強してから復習するまでに時間をあけます。
そして2回目に復習するときは、さらに時間をあけます。
3回目に復習するときは、もっと時間をあけます。
さきほどの「復習が大事」という話は、どこかで一度は耳にしたことがあると思います。
しかしここからが本番。
ここでご紹介する「間隔学習」と、次の章でご紹介する「交互学習」は、学校や塾では、なかなか教えてくれません。
というのも、これらの勉強法は、「つめこみ学習」に比べて時間と手間がちょっとかかるんです。
つまり、決められたカリキュラムを、決められた期間内に教える先生たちにとって「間隔学習」や「交互学習」は実践しづらいんです。
これは捉え方を変えると、周りの人たちと差をつけるチャンスです。
なぜ間隔をあけると記憶に残りやすいのか
少し難しい話になりますが、勉強した内容をしっかり記憶するには「長期記憶」に定着させる必要があります。
「長期記憶」とは簡単に言うと、 長いあいだ覚えておくための貯蔵庫です。
何年も前のことでも覚えているのは、その記憶が長期記憶に保存されているからです。
勉強した内容を長期記憶に定着させるには、「統合」というプロセスを経なければいけません。
「統合」とは、
✔そこに意味を与える
✔既に知っていることと関連付ける
といった記憶のプロセスです。
この「統合」というプロセスには時間がかかります。
だからこそ、間隔学習によって復習するまでに時間をあけると記憶に残りやすいんです。
一夜漬け勉強法は意味がない
テスト前日の夜、一夜漬けで勉強したことがあるかたも多いのではないでしょうか?
一夜漬けで勉強しても、結局はすぐに忘れてしまいます。
その理由は、「統合」のプロセスがないからです。
もし今も一夜漬けで勉強しているなら、時間に余裕をもって間隔学習をしましょう。
間隔はどれくらいあければいい?
間隔学習の研究者ピョートル・ヴォジニャクによると、
✔2回目の復習は7日後
✔3回目の復習は16日後
✔4回目の復習は35日後
✔5回目の復習は62日後
という間隔をあけるのが、記憶を定着させるのにベストであるとされています。
しかし、この日数と回数を守って復習するのはなかなか難しいと思います。
そこで、時間がないときにおすすめする方法は、メンタリストDaiGoさんの著書「超効率勉強法」のなかで紹介されていた、
✔2回目の復習は2週間後
✔3回目の復習は2か月後
というやり方です。
わかりやすく「2日後、2週間後、2か月後」という間隔をオススメされています。
あける間隔に関しては、理解度や教材にもよると思いますので、一度「2日後、2週間後、2か月後」で試してみてはいかがでしょうか。
慣れてくると、「あの内容そろそろ忘れてきたから復習しないと」というふうに感覚がつかめてきます。
「日数なんてイチイチ気にしてられない!」という方には、交互学習のアプリ「分散学習帳」がおすすめです。
このアプリに覚えたいことを書いておくと、ちょうど忘れかけたころに通知をしてくれます。
記憶に残るおすすめ勉強法③「交互学習」
こちらもやり方は簡単です。
勉強するときは、一つの単元や科目をずっーとするのではなく、複数の単元や科目を交互に勉強します。
例えば、英語と数学と国語を勉強したいときは、
「英語30分⇒数学30分⇒国語30分⇒英語30分…」
といった感じに勉強します。
なぜ交互学習は効果的なのか
交互学習をすることで学んだ内容は、脳の中の「様々なことに対応できる柔軟な部分」に組み込まれます。
これにより、次の2つのメリットが得られます。
「これはどういう種類の問題なのか」を見極めることができるようになる
✔想起(思い出す)力がつく
想起(思い出す)力がつくのは、交互学習によって、「一見関係のないこと」や「すでに知っていること」との結びつきが生まれて、想起のための手がかりが増えるからです。
これらにより、応用力もつき、見慣れない問題に出会っても、その問題の種類を見極めて解けるようになります。
交互学習をやってみて
実際にやってみても、その効果はすぐには実感できません。
しかし交互学習は、ずーっと同じ単元や科目を勉強する「つめこみ学習」よりもかなり効果があることが分かっています。(R)
私もはじめは少し大変でしたが、「1冊のノートに交互に勉強した内容を書く」などの工夫で、前述した「判別力」や「想起力」に加え、良いアイデアが浮かぶようにもなりました。
これも複数の単元や科目を混ぜて勉強した成果かもしれません。
今回のまとめ
②間隔学習:復習するときは間隔をあける
③交互学習:勉強するときは色んなジャンルを交互に混ぜる
いかがだったでしょうか?
今回記事を書くにあたりメインで参考にした本はこちら。
使える脳の鍛え方 成功する学習の科学
興味深いことに、この本自体が交互学習できる構造になっています。
交互学習をするために、まずはこの本で試してみてはいかがでしょうか?
また、記憶のメカニズムなど脳の構造を楽しく学びたい方は、映画「インサイドヘッド」がおすすめです。
今回は、「効率的な勉強法」をご紹介しましたが、「絶対に避けるべき非効率な勉強法」も合わせてチェックしてみてください。
復習テスト
この記事で書いたとおり、脳にとって最も効果的な復習方法の一つは、「想起(思い出す)学習」です。
今回ご紹介した内容をしっかり覚えておきたい方は、本ページ下↓の「✔CHECK」をみて、テストしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。(^▽^)/
問2. なぜ間隔学習は効果的なのか?
問3. なぜ交互学習は効果的なのか?
問1. 脳の神経回路が強化されるから
問2. きちんと記憶に定着させるには、統合という時間のかかるプロセスを経なければならないから
問3. 判別力と想起力がつくから
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