「勉強してもすぐ忘れる」
「自分は記憶力が悪い」
「勉強が苦手だ」
そんなふうに感じていませんか?
その原因はあなたではなく、あなたの勉強法にあります。
今回は絶対に避けるべき非効率的な勉強法を2つご紹介します。
社会人で独学で勉強しようと思っている方は、特に注意してください。
多くの人が正しいと思ってやってしまっている勉強法なので衝撃を受けるかもしれません。
というのも、本当に効果がある勉強法というのは、
人が直観的に
「これは効果がある」
「記憶に定着したぞ」
と感じる勉強法ではないんです。
むしろ、その勉強法は非効率的ものが多いんです。
どうか思い込みを捨てて読み進めてください。
「見出し」と「太線部分」のみお読みください。
*より詳しく知りたい方は、
論文(R)も合わせてチェックしてみてください。
すぐに忘れる勉強法①「再読学習」
再読学習とは、テキストを繰り返し読む、文章をただ眺める、といった勉強法です。
どうでしょう?
あなたはこの勉強法、やってしまっていませんか?
「再読学習」は忘れやすい
このことを教えてくれる面白い実験があります。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の教員と学生を対象にした実験です。(R)
この実験では、自分たちが普段使っている場所に設置されている「消火器」の位置を覚えているか、といったことを確認しました。
つまり、「人が毎日のように繰り返し見ているものを、果たしてきちんと記憶しているのか」といったことを確認したんです。
直感的には、
「何度もみてるなら、当然覚えているでしょう」
と思いますよね?
ところが、結果はその逆でした。
実験の被験者たちは、毎日のように繰り返し見ているにも関わらず、消火器の位置を覚えていなかったんです。
つまり、くりかえし見たり、眺めたりしても、記憶には残らないということです。
「再読学習」は人気!?
記憶に定着しない非効率的な勉強法である「再読学習」ですが、一見すると効果がありそうなので、多くの人がこの勉強法をついついやってしまっています。
177校の大学生を対象に行った調査によると、生徒の大半が再読学習をしていることが分かりました。(R)
これに対して、「再読学習」とは正反対の「想起(思い出す)学習」、をしている生徒は比較的少なかったんです。
(想起学習に関しては後述します)
これは捉え方を変えると、まわりの人たちと差をつけれるチャンスです!
なぜ「再読学習」は効果がないのか?
直観的には効果がありそうな「再読学習」は、なぜ努力してもすぐ忘れるのでしょうか?
理由は3つあります。
②短期記憶にしか残らない
③勉強するのに時間がかかる
順番に見ていきましょう。
理由① しっかり覚えた、という錯覚を引き起こす。
テキストを何度もくりかえし読んでいると、どのように感じるでしょうか?
何度も読み返すことで、文章にも慣れて、スラスラ読めるようになります。
努力して、すっかり覚えた気になりませんか?
これが再読学習を効果的だと勘違いしてしまう原因です。
人は、聞き覚えのある説明に対して、
「これ、知ってる!」
という思い込みを持ってしまいます。
これはメタ認知力が弱いためにおきます。
自分の考えていることを客観的に見ることです
自分を客観視することで、「本当に自分は知っているのか」と問いを投げかけることが出来ます。
しかし、メタ認知力が弱いと、こういった問いを自分に投げかけることが出来ません。
つまり、再読学習をしていると
「知らないということを、知らない」
という状態になるんです。
理由② 短期記憶にしか残らない
再読学習は努力しても記憶に残らないと言い続けてきましたが、一応記憶には残るんです。
ただし、短期記憶のみで、長期記憶には残りません。(R)
つまり、再読学習で勉強した内容は、勉強したすぐ後なら覚えていても、時間が経つとすぐに忘れてしまいます。
理由③ 時間がかかる
再読学習はテキストを読み返すため、時間がかかってしまいます。
時間がかかる割に、記憶には定着しないため、とても非効率的です。
すぐに忘れる勉強法②「つめこみ学習」
「つめこみ学習」とは、短期間にたくさんの知識を一気につめこむ勉強法のことです。
一見するとそれなりに効果がありそうに思えます。
どうでしょう?
あなたは、この勉強法やっしまっていませんか?
「つめこみ学習」は忘れやすい
それなりに効果がありそうな「つめこみ学習」
しかし、この勉強法をやっても、覚えた記憶は長くは持たず、判別力もつきません。
(判別力に関しては後述します)
にも関わらず、多くの人がつめこみ学習を効果的だと思って勉強してしまっているんです。
「つめこみ学習」は人気!?
多くの人が「つめこみ学習」をやってしまう理由は2つあります。
②一気にたくさん覚えたという実感がある
これらの理由から、多くの人が「つめこみ学習」を効果的だと勘違いしてしまうんです。
なぜ「つめこみ学習」は効果がないのか?
つめこみ学習に効果がない理由は2つあります。
②判別力がつかないから
順番に見ていきましょう。
理由① 脳のなかの貧弱な部分で処理される
たしかに、「つめこみ学習」で短期間に知識をつめこむのは、体力的、精神的にそれなりの努力が必要です。
だからこそ、ついつい「勉強をやった気」になってしまいます。
しかし、「つめこみ学習」は受け身の姿勢で知識つめこんでいるため、脳にとっては、あまり努力していないんです。
このため、「つめこみ学習」をしても、脳の中の「単純」かつ「貧弱」な部分で処理されてしまいます。
つまり、短期記憶には残っても、その記憶が長期記憶に移ることはないんです。
理由② 判別力がつかない
判別力とは、
つめこみ学習では、残念ながら判別力はつきません。
忘れにくい効果的な勉強法とは?
ここまでは、絶対に避けるべき非効率的な勉強法をご紹介しました。
では、効率よく記憶するには、どのような勉強法をすればいいのでしょうか?
効果がない「再読学習」に対して、本当に効果があるオススメの勉強法は、「想起(思い出す)学習」です。
また、効果がない「つめこみ学習」に対して、本当に効果があるオススメの勉強法は、「間隔学習」と「交互学習」です。
これらの勉強法に関してはこちらの記事をご覧ください。
また、勉強効率がよくなる「脳の使い方」に関してはこちらの記事をご覧ください。
今回のまとめ
①再読学習:テキストを繰り返し読む、文章をただ眺める、といった勉強法
②つめこみ学習:短期間にたくさんの知識を一気につめこむ勉強法
いかがだったでしょうか?
今回記事を書くにあたりメインで参考にした本はこちら。
使える脳の鍛え方 成功する学習の科学
復習テスト
脳にとって最も効果的な復習方法の一つは、「想起(思い出す)学習」です。
今回ご紹介した内容をしっかり覚えておきたい方は、本ページ下↓の「✔CHECK」をみて、テストしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。(^▽^)/
再読学習はなぜ非効率な勉強法なのか?
問2.
つめこみ学習はなぜ非効率な勉強法なのか?
問1.
勉強した内容に対して、「十分知っている」という思い込みをしてしまい、時間がかかるわりに短期記憶にしか残らないから。
問2.
勉強した内容が、脳の中の「単純」かつ「貧弱」な部分で処理されるので、短期記憶にしか残らず、判別力もつかないから。
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